特集 予防接種
予防接種の国際動向
金子 義徳
1
1東邦大学医学部公衆術生学教室
pp.594-598
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205258
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
厚生省は,昭和51年5月11日までに予防接種の今後のあり方とワクチン禍の被害者に対する救済制度を盛りこんだ予防接種法の全面改正案と,法案の公布に伴う政令案の骨子をまとめた,と5月11日の新聞は報じている.内容的に重要だと思うのは次の3点である.すなわち,
1)今後においては従来の伝染病の集団的まん延防止という考え方を一歩進めて,予防接種が極めて有効な予防手段であり,かつ,他に満足すべき予防方法がなく,いったん罹患した場合に致命率が高いか,重い後遺症を残すおそれがすくなくない疾病等,国民の健康の保持増進にとって予防接種が積極的な意義を有するものについても対象疾病として取り入れることとすべきである,という点である.具体的には破傷風,日本脳炎,風疹も対象になる点が重要な点である.しかし,このことは後でも述べるが,すでに諸外国ではふみ切っているところである.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.