特別講演
保健婦に技術はあるか
川上 武
1
1杉並組合病院
pp.1-7
発行日 1971年8月10日
Published Date 1971/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204944
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最近の保健所再編成の一環として,保健所では医師とならんで中心的技術者である保健婦の機能分化,その専門性をどうして高めるかが大きな問題となっている。医療技術者の一員として保健婦が登場してからすでに数10年たっているにもかかわらず,いま改めて保健婦とは何かを問いかえすような問題が論じられること自体考えさせるものを提起している。
同時にそのようなことが問題になるのは,日本の予防行政が大きな転機にきていることの反映でもある。しかし,この種の問題を考えるとき従来は職能と身分,あるいは技術と地位との関係を,あまり明確にしてこなかったことが議論をすすめる上で制約となってくる。そこでここでは,保健婦の社会的役割というより,その根底にある技術を中心に考えてみたい。
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