シンポジウム 公衆衛生を担う人びと
東京大学第42回五月祭より収録
看護サービスの充実のために
小林 富美栄
1
1東京女子医大付属高看学院
pp.50-53
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204269
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私がお話しいたします内容の要点はまず最初は看護がどのようなサービスを社会から要求されているかそれからそういうサービスを要求されている者をどういうふうにして準備しているだろうか,つまり教育の問題に入りたいと思います。それから公衆衛生事業のフィールドで看護という仕事をしている保健婦の問題で,保健婦のいままでの働き方の問題と,看護の職能として保健婦がどういうふうにして教育されていったらいいのかという問題について自分の考えを申し上げることにいたしたいと思います。
まず看護が職能としてどのようなサービス内容を提供することを社会から要求されているか,そのへんの問題を考えてみたいと思います。今日私どもの看護の職能は3種の免許制度によって一応区分されています。その活動体系は看護の対象である個人,家族の健康上の問題状況とその処理の場所または機会,方法などの状況によって分化されているわけです。すなわち健康に異常があるか,またはその疑いのある人を主体として,病院,診療所で活動が行なわれ,いわゆるこれが臨床看護とよばれている看護活動でございます。また地域社会で医療機関以外の自分達の日常生活の場,またはその一部となっている所において実施されている看護活動がございます。これがいわゆる公衆衛生看護。これを私どもは保健婦業務とよびならわしてきております。
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