特集 切迫早産長期入院妊婦の看護
「安静度」とその看護
こまやかさと内容充実の看護の提供
平田 礼子
1
,
小山 厚子
1
,
鯨井 貴與子
1
,
佐々木 百合子
1
1三楽病院産婦人科病棟
pp.497-502
発行日 1995年6月25日
Published Date 1995/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901266
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はじめに
当三楽病院において切迫早産で入院している妊婦の多くは,緊急に入院してきたケースがほとんどである。そのため,家族とのコミュニケーション,仕事の調整,入院の準備,入院に対する気持ちの整理が十分にできない状況で,安静と持続点滴の生活をはじめなければならない。
以前に当院で安静とリトドリン持続点滴を受けたことがある妊婦に,質問紙法と面接法を用いて切迫早産妊婦にとってつらいことの実態調査を行なった(図1,表1)1)。その調査から,突然の入院により日常生活行動が今までと全く違う状況に置かれたこと,健康レベルが高く自覚症状がないのに胎児のために安静を強いられること,社会的役割を持っている女性であるにもかかわらず安静にしていなければならないなどの理由から,入院生活のストレスがかなり強いことがわかった。この結果を踏まえて,安静生活のなかでも可能なかぎり,本人の日常生活に近づけて援助していくことがストレスの軽減につながると考えた。そこで,この調査結果を生かし,現在当院で実施している看護をここに紹介する。
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