八丈の島から
第12回 欲をもつように援助すること
膳亀 和子
1
,
古川 千寿子
1
,
上田 きよえ
1
,
川嶋 紀枝
1
,
小座間 浄
1
,
八代 悠紀子
1
1町立八丈病院
pp.66-67
発行日 1968年7月10日
Published Date 1968/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204232
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"母子衛生""慢性疾患管理"に続いて,さて今回は"衛生教育"ということになる。衛生教育とはそもなんぞや,と考えて学院時代のノートをめくると,「衛生教育とは……一般の人達が個人としてあるいは集団として,健康な生活を送るために努力するのを,または努力するように,援助することである」という宮坂忠夫氏の定義に行き合う。なるほど!
ではわれわれはこの1年間に,八丈の島において,この定義の示す目的に沿って何をなし得たであろうか? 広い意味の衛生教育とは公衆衛生活動全体を指すといってもよいくらいで,とくにこの島のように公衆衛生という概念の一般化されていないところでは,保健婦の行なう活動の1つ1つがそのまま衛生教育につながるわけであるが,今回は,狭い方の衛生教育,つまり集団に対する働らきかけという形による"健康生活への援助"について眺めてみようと思う。
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