八丈の島から
第11回 私たちの慢性疾患管理
膳亀 和子
1
,
古川 千寿子
1
,
石井 麗子
1
,
上田 きよえ
1
,
川嶋 紀枝
1
,
小座間 浄
1
,
八代 悠紀子
1
1町立八丈病院
pp.62-63
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204212
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小島から往診依頼の電話があったのは午前11時,病院の廊下はまだ外来患者でごった返していた。56歳の男性。倒れたという。いったん切れた電話をかけなおして聞いてみると……意識はない。今朝10時頃近所の人がみつけたときには,すでに呼んでもわからなかった。昨夜は別に変りなく,酒を飲んで寝たらしいが,ひとり暮らしなので確かなことはわからない。ちゃんと寝まきを着て,布団の中で,「いびきは?」というこちらの問に,「ごろごろいってる」という。「母親もこんなふうにして死んだんですけどね……」前に血圧が高いといわれたことがあるらしい。
あいにく今日は胃の透視を予約した患者さんが午後2人あり,それを済ませると,こちらを出るのが早くて2時,小島へ着くのは夕方になるから,とりあえず動かさずに,頭を水で冷やしておくように話して電話を切る。
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