特集 医療保障と健康保険制度
医療保障制度の国際比較
大村 潤四郎
1
1厚生省保険局
pp.21-26
発行日 1968年1月10日
Published Date 1968/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204093
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はじめに
抜本改正が問題となっている医療保険制度は医療保障の1つの方法であって,保険方式によって疾病の際給付を行なう制度である。医療保障の範囲としては,いわゆる包括的な医療サービス(Comprehensive Health Service)が目標であって疾病の際の治療費の保障だけでは不満足である。わが国の制度では健康の増進,疾病の予防は主として公衆衛生部門の活動とされており,健康保険は保健福祉施設の分野でわずかにこれに関与しているにすぎない。
医療保障の国際的比較をなすに当っては,すでに,英国やソ連の如くに包括的な医療サービスを内容として制度を構成している国があるから,単に健康保険制度の比較にとどまらず疾病予防などすべての保健を目的とした対人サービスを対象としてこれを比較することが重要である。
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