書評
—堀川 直義・早坂 泰次郎 共著—看護婦の人間関係
美濃 カズ子
1
1大阪厚生年金病院
pp.81
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202787
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人間ただ1人で,社会に存在し得ないことはわかりきったことで,どんなところでも社会生活を営むには人間対人間の関係が問題になってきます.ことに近代社会のめざましい発展の中での人間関係の重要性は,近時とくにクローズアップされてきております.
とくに看護婦という職業は,人間関係の真っただ中におかれている職業だといえます.今回,医学書院より堀川・早坂両先生著の「看護婦の人間関係」が出版されましたが,まさに旱天の慈雨にもたとえられると存じます.看護の領域ほど人間関係に関する配慮を必要とすることが認められていながら,それについての専門的探究のおくれていた領域はありません!と著者の序に述べられてあるように,はずかしいことながら,それは真実でした.近年こうした面に一般的に啓蒙されてはきておりますが,本書は題名の示す「看護婦の人間関係」そのものズバリで,たいへんかかりやすく具体例などもじつに細かい点をあげられて,項目ごとによくまとめられております.
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