—中村 康 中村 夏子 共著—「料理の実際」

　著者は戰時中，無医村治療班の提唱者であり，実施者であります．そして群馬県では一農村の保健指導を行い，之を県内の模範村に導いた経験の保持者であります．著者等が無医村の母親学校，女子青年等に長年保健指導を行つて講義をした時の原稿を集めて著したのが本書であります．料理法を最も簡便に考え出し記憶するために五味五法表式と言う新しい考案を基礎とし，之に配膳法に依る栄養食膳のそなえ方を解説してあります．例えば大根一つで直ぐ二十五通りの料理を一分もかからずに考え出す事が出来るのであります。一般婦人雜誌のぜい沢な料理解説と異り日常生活とぴつたりあつた料理参考書が本書であります．毎日患者に接し，栄養料理に苦心する皆樣に良い参考書としてお薦め致します．