書評
立教大学助教授 鈴木敦省 著—看護教育における評価
古屋 かのえ
1
1国立東京第一病院附属高等看護学院
pp.15
発行日 1960年9月10日
Published Date 1960/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202164
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人間の歩むべき道が,永遠の完成への限りない努力であり,前進であるとしたならば,それを方向づけ助成する教育というしごとにとつて,その前進的基礎となるものは正しい教育評価以外にないと思うのです.著者の「教育は評価でスタートし,評価に終る」と言われる所以です.
実際に看護教育の現状からこれだけの資料を拾い集め,教育の原理からそれを科学的に分折し,綜合し,正しい評価へ,そして評価によつて知り得たものを基として看護教育計画の改善へ,より効果ある指導へ……と,こういう仕事は情熱と誠意なくして出来るものではありません.たとえ情熱があつたとしても,教育という専門的知識の背景に乏しい上に,毎日眼前の仕事に追いまわされているような私共現在の看護教育担当者に出来ることではありませんでした.現に今までこの問題と真けんに取組みながら今日までそれが出来なかつたのです.本当によくぞ書いて下さつた! 私はこの書を通して著者の誠実な人柄までをしのぶことが出来ます.よき助言者を,よき協力者を得たことを,看護教育に携わる者の一人として心から喜び感謝しています.
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