文学漫歩
—中島敦(著)—『名人伝』(1969,新潮社 刊)
山中 英治
1
Hideharu YAMANAKA
1
1市立岸和田市民病院外科
pp.238
発行日 2001年2月20日
Published Date 2001/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904382
- 有料閲覧
- 文献概要
数年ぶりに本棚の整理をした.以前看護学校の授業を担当する前に気負って買ったのだが,読まずに積んでいた『ベナー看護論:達人ナースの卓越性とパワー』(医学書院刊)が出てきた.読み出すと予想外に面白くて座り込んで耽読と相成り,毎度のパターンとして本の整理は頓挫した.
この看護論は米国連邦政府の助成金を得て行われた研究結果に基づいている.ナースを臨床の看護実践能力から5段階の熟達レベル(技能取得に関するドレイファス・モデルという緊急事態におけるパイロットの行動調査をデザインした研究を土台にしている)に分類し,臨床現場の実例を示して,達人ナースへの道について説いている.同じ緊急事態の状況に直面しても熟達レベルに応じて判断能力や対処法が違うのが判然としていて興味深い.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.