書評
—鈴木敦省著—評価の技法—リーディングナースのために
柴田 明子
1
1国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.66
発行日 1963年7月10日
Published Date 1963/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202885
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〔看護教育における評価〕がはじめて出版された時,私どもはハッと息を呑んでその鮮やかな問題提起と示唆にとむ問題解決の技法を与えられたことに感激したのであった.それは未開拓の原野に初のくわ入れが著者の手によってなされた観があったが,それから2年間,やはり著者はたえず看護教育上の問題に目をはなさず,あらゆる機会をとおして得られた資料をもとにさらに直接的に現実的に近づけて読者に親しみやすいように配慮され,ここに〔評価の技法〕が第二の産声をあげることができたと拝察した.
まず,かんじ入ったことはとかく看護業務につくものが陥りやすい誤謬,簡単に割り切って投げだしがちな態度を,著者は指摘されて徹底的に頭脳で考えぬいたことを,仕事の面で実現してゆく習慣を強調し,手不足で時間がなく,心の余裕がない……が故に系統だてて思考し,行動することといった仕事への構えをくりかえし,くりかえし述べておられる点、単なる知識や技術のきりうりではなく教育者としての熱意がうかがわれ,おそらく本書を読む人は自分の前につづく道を真剣にみつめ考えざるを得ないであろう.
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