書評
—鈴木八重子著—看護記録
栗原 やま
1
1虎の門病院
pp.30
発行日 1963年9月10日
Published Date 1963/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202919
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- 文献概要
最近医学の進歩にともない,看護内容も広範に,また一段と複雑さを加えてきている.したがって医師とのチームワークおよび三交代制のもとにおけるナース間のチームワークの確立はきわめてたいせつな事であるが,それには,各パートにおける「完全な記録」がより重要な鍵である事はいうまでもない.しかし,完全な記録といっても,これを実際の場に臨んでいかに能率的に行なうかということはなかなかむずかしい問題であるが,このたび,医学書院から鈴木八重子氏著「看護記録」が出版され,その内容,様式,方法などが著者も述べられているように,実際の場にすぐ役立つようにと,きわめて具体的にかつ適切に記されており,特に看護日誌,看護計画の立てかたなどについてはいくつかの病院の記載例およびカーデックス法についての説明などがあげられており,私自身,現在私の所で扱っている看護記録様式などの改善を考えていた矢先であったので大いに参考になった次第である.
なお,巻末には,日常私たちが必要として用いている医学用語,およびとかく忘れがちだが身体各部の名称なども収載されている点など,著者ならではのこまかい心遣いのほどもうかがわれ,実際に直接役立つ「看護記録」の参考書としてお奨めしたい図書である.
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