講座
日本料理の榮養的考察(その2)—(調理上の問題)
森川 規矩
1
1千葉県衛生部
pp.19-22
発行日 1954年6月10日
Published Date 1954/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200749
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日本料理の栄養的欠陷の概説を前号で試みたが,さらに日本料理の調理加工貯藏の欠陷について述べてみたいと思う.この調理等の栄養欠陷の成立は,美的技術の行き過ぎであり,油脂食品の活用度の貧困,燃料源の不足,或いは調理器具の非文化性,耆好上の習慣,食品価値の評価に対する科学性欠乏,米と副食品との日本的性格等々によるものであると考えられる.これを一言にしてつきることは,「食品の天然に備わる栄養素と味を尊重する」という調理の原則に反するからである.筆者が,多年主張している日本食の調理欠陷は次のようにこれを分析して考え,これを改善することにつとめなければならない.
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