特集 結核問題の展望
結核予防対策の進歩
聖成 稔
1
1厚生省結核予防課
pp.38-41
発行日 1954年5月10日
Published Date 1954/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200734
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1.過去の結核予防対策
結核対策が明治,大正時代の取締一偏倒から脱して近代的な方法に転換してきたのは丁度昭和13年に厚生省が誕生した頃であつた.即ちこの年に初めて保健所が各府県に一ヵ所ずつ出来,従来からあつた健康相談所(結核予防所)と共に結核予防の第一線機関としての今日の保健所の基礎が固められた.
又昭和15年には国民体力法が制定されて青少年の体位の向上策が戰時中のこととて強く取上げられたが,この体力法の中心となつた部分は結核予防対策でツベルクリン反応を行い陽性者には間接撮影を,そしてこれの有所見者は精密検診を行うという現在結核予防法で定められているのと同じ方法が定めら和強力に実行されたのであつた.
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