世界の波
裁きの下には
末松 滿
1
1朝日新聞東京本社
pp.44-45
発行日 1953年9月10日
Published Date 1953/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200595
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モンテンルパの夜は明けた--死刑になるはずだつた人たちが,フイリツピンから,オーストラリアから,生きて祖国の土を踏んでいる.彼らの名は「戰犯」というが,戰犯とは一体なんであつたのか,今となつてなんだか割りきれない気持になる。少くとも死刑を執行されてしまつた人の釈放は,永久に実現することはできないのである.殺さなくてもよかつた人が,すでに殺されているのではあるまいか.
去る6月16日,アメリカ大統領アイゼンハウアーのところへ長い手紙が屈けられた.
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