特集 わたしは住民のパートナー
行政ミッションから考える行政保健師のコア業務
成 玉恵
1
,
塩見 美抄
2
,
湯本 貴子
3
1東京都北区健康福祉部福祉サービス課
2神戸大学大学院医学系研究科保健学専攻
3大阪府八尾市保健福祉部介護保険課
pp.514-520
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100098
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見えにくくなった住民
たった1日の業務のなかで,私たち保健師は,いったいいくつの業務をこなしているでしょうか。日々,繰り返し行われる健診や健康教室。その合間を縫って行う家庭訪問。自主グループの支援に,関係機関との会議。そして,それらの記録や報告書の作成。さまざまな連絡調整。自席に戻った途端に掛かってくる電話相談。突然来所するケースへの対応…。何か1つでもトラブルが起きれば,すべての予定スケジュールは泡と化し,トラブルへの対処に振り回されることになります。保健師の業務量の多さと範囲の広さは,並大抵ではありません。
しかし,これほど慌ただしく忙しい毎日を送っているのに,いまだ保健師は行政組織のなかで市民権を得られておらず,他職種からは「何する人ぞ」と思われているように感じます。予算要求や人員確保など,保健師の必要性を説く場面で,苦い経験を味わったことのある保健師は少なくないはずです。
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