ベッドサイドの看護
片麻痺患者に試験外泊を行って—退院後のレベルダウンを防ぐために
山代 美恵
1
1長崎労災病院混合病棟
pp.909-911
発行日 1982年8月1日
Published Date 1982/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922843
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はじめに
近年,脳卒中後遺症に対するリハビリテーション(以下,リハと略す)は盛んに行われるようになった.入院中は訓練に励み,退院のころには,後遺症は残しながらも,ある程度の回復がみられ,その人にあったレベルの生活ができると予測されて退院していくのである.ところが,退院後の経過を追ってみると,退院時に歩けた者が再びベッド臥床の生活へ,座ることができた者が寝たきりの生活へと,レベルダウンしていく例が多い.
私たちは,当病棟に入院していた片麻痺患者について,退院後の状態を調査した結果,家庭復帰した中で何らかの機能低下を来した者は,17%(30例中5例)であった。文献においては,東京都養育院付属病院では36%(25例中9例),兵庫県リハビリテーションセンターでは10%(60例中6例)と報告されている.当病棟では,こうしたレベルダウンに対処するために,3年前ごろより積極的に試験外泊を試みてきた.
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