連載 在宅生活を豊かにするシーティング技術・第6回
両片麻痺患者へシーティングを行い自宅退院へ至ったケース
遠藤 真弘
1
,
遠藤 孔太郎
1
,
阿部 早苗
1
,
木之瀬 隆
2
1JR東京総合病院
2(株)シーティング研究所
pp.706-710
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5003200956
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はじめに
2016年度の診療報酬改定1)により,回復期リハ入院料に実績指数が組み込まれている。2018年の診療報酬改定2)では,回復期リハ入院料1・2をとるためには実績指数で37を超える必要があり,よりリハの質が求められている。同時に活動と参加に焦点を当てたリハが重要視されている。例えば,予後予測から実用性歩行が困難と思われるケースに対して車椅子シーティングを行い,環境をマッチングさせられれば,自宅内での主体的な活動や社会参加活動の確保につながるといったことである。
リハ医の初診時の座位保持不良群では,6週間の入院期間で歩行やADLに一部介助や見守りが必要となることが多いと予測すると報告がある3)。今回,延髄内側を中心とした多発脳梗塞により,両片麻痺,重度な体幹失調を呈し初診時座位保持不良なケースを担当した。自宅退院は困難と思われたが,車椅子シーティングの対応,住宅改修を経て,最終的に自宅退院へ至ったケースについて,回復期リハ病棟での自宅退院に向けて行った車椅子シーティングに焦点を当てて報告する。
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