Japanese
English
特集 脳卒中と理学療法・作業療法
退院後の在宅片麻痺患者のADLの予後と決定因子―作業療法士の立場から
Prognosis of ADL and Determining Factors in Hemiplegic Patient at Home
石川 禎子
1
Teiko ISHIKAWA
1
1東京厚生年金病院
1Tokyo Welfare Pension Hospital.
pp.815-819
発行日 1977年11月15日
Published Date 1977/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518101578
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
脳血管障害によって,障害を持った在宅片麻痺患者のADL能力は,患者の身体的機能,心理的知的能力と共に,受け入れ側である社会的環境に大きく関与すると思われる.
すなわち,今ある能力を最大限に生かされる身体的,知的活動が行われる為には,患者の生活への姿勢,態度,家族の理解と協力等,物理的条件を含めた“毎日のくらし方”そのものを十分に考慮されなければ在宅片麻痺患者のADLは,良い結果が得られない.
脳血管障害は,疾患の特殊性(慢性疾患,症状の多様性,合併症)からも色々と困難な面が多く,又,脳の器質的障害(知的面での低下),高齢,社会的役割の欠如等の心理的社会的面にも問題を広く持っている.
今回ADLの予後を決定する因子として,年齢,男女,左右,運動機能,患者の役割,家族の期待,余暇活動等を取り上げ,最近2年間に入院下リハビリテーション(OT)を実施し,現在在宅中の50名の脳血管障害による片麻痺患者に対してのADLの予後について検討してみた.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.