◆研究と報告
高齢脳卒中片麻痺患者の退院後の生活に対する満足感の形成について—第2報
服部 正治
1
,
清宮 良昭
1
,
野田 美保子
1
,
大堀 緑峰
2
,
高山 広
2
1弘前大学医療技術短期大学部作業療法学科
2黎明郷リハビリテーション病院作業療法科
pp.53-58
発行日 1985年2月15日
Published Date 1985/2/15
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はじめに
前回(昭和58年12月,作業療法に投稿)は,在宅片麻痺者を対象に,郵送によるアンケート調査法で生活に対し感じている満足・普通という思い(以下,満足感という)と,生活状況との関係について調査し,生活に対し満足と感じている人は,普通と感じている人より,①家族と接する機会が多いこと,②家族の収入が多いこと,③身の回り動作のうち,トイレ・入浴動作が自立していること,④仕事・趣味などの活動を行っていること,の4つの特徴があるという結果を得た。
しかし,アンケートによる調査は,一般に回答時の思いを表わすもので,実際の状況を示しているとはかぎらない。又,生活に対する満足感は本人の欲求によって変化する,という疑問を感じた。
そこで,今回,個別訪問調査法で,①生活に対する満足感,②困っていること・楽しみ,③生活状況,の3点を調査し,(1)①と②の関係について明らかにする,(2)①と③の関係について更に明らかにする,(3)(1)と(2)の結果から作業療法士の関与できうるものについて検討する,の3点を目的に調査を行った。
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