特集 チームワークの中のストレス—チームを有効に機能させるために
燃えつき症候群に陥った看護婦の傾向分析から
稲岡 文昭
1
1国立公衆衛生院衛生看護学部
pp.993-997
発行日 1984年9月1日
Published Date 1984/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920868
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はじめに
筆者は過去3年間にわたり,調査研究,事例研究,面接調査を通し,‘よりよいナーシングケアを行おうとする強い意欲にあふれながらも,それが何らかの障害(ストレス)で長期間阻害された結果,ついにはその意欲が燃えつき,ナーシングケアは機械的,表面的となり,血の通った温かいケア,社会心理的理解に基づいたケアが行えず,患者の自然の回復力促進を阻む’と言われている,看護者の“燃えつき現象”(burn out)について研究を行ってきた.研究対象は大学病院,私立総合病院,精神病院等の施設に働く看護者で,研究方法も種々な方法であった.このような研究の結果,burn outの実態,burnoutに導くと思われる要因,問題・ストレス対処法について,各病院,各職場,各専門領域により,程度の差こそあれ共通する特徴的な傾向がみられたので,そこに焦点を当て,特に,心理的,対人的職場環境については詳細に述べてみたいと思う.
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