食と保健指導 地域小集団における保健活動の評価尺度(6)
保健婦の陥るジレンマ
豊川 裕之
1
1東京大学医学部保健学科疫学教室
pp.606-611
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205536
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
個人を取り扱う場合と集団を取り扱う場合とで,人間についての認識が相違していることを述べてきた。集団写真の例で説明したように,その場合には,どの顔にも目・口・鼻・耳などがあって,その意味で皆似た顔をしているとする。しかし,実際に個別の人に会って顔を見ていると,目・口・鼻・耳などの顔の造作はそれぞれ少しずつ形や大きさが違っていて,いわゆる個性がある。つまり,だれ1人として同じ顔の人は見当たらない。このように集団を取り扱う立場と個人を取り扱う立場の相違は,共通性を尊重することと,個性を尊重することとの相違であるといえる。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.