Japanese
English
Case Record
燃えつきと糖尿病―治療努力にも関わらず望ましい効果が得られていなかった症例
Diabetes Burnout:A case that had not got desirable therapeutic outcome in spite of vigorous self management
山城 小百合
1
,
石井 均
1
1天理よろづ相談所病院内分泌内科
キーワード:
燃えつき
,
患者中心のアプローチ
,
強化療法
Keyword:
燃えつき
,
患者中心のアプローチ
,
強化療法
pp.339-343
発行日 2003年5月15日
Published Date 2003/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100398
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Case
医学的側面と心理学的側面の両方からのアプローチが効果的であった症例
患者:56歳,女性.
主訴:体重減少,血糖コントロール.
家族歴:糖尿病なし.
既往歴:特記事項なし.
肥満歴なし.飲酒,喫煙歴ともになし.
現病歴:55歳のとき,体重減少と口渇が出現したため近医受診.随時血糖400 mg/dLで2型糖尿病と診断され,入院となった.ペンフィル30 R朝,夕2回のインスリン治療と1,400 kcalの食事療法が開始され,糖尿病教育も受けて退院した.指示された治療法を守り,定期的に外来通院していたが,体重は退院後10カ月間でさらに10 kg減少し,HbA1Cが8%から改善しないため,当科へ紹介され入院となった.
入院時所見:身長162 cm,体重47.5 kg,BMI 18.
眼瞼結膜に貧血なし.甲状腺およびリンパ節腫大なし.胸腹部に異常所見なし.
検査所見:空腹時血糖値312 mg/dL.HbA1C 8.1%.
網膜症,腎症,神経障害は認めなかった.
Caseの教訓:治療方針を立てる際,医療者側の医学的な計画や方針だけではなく,患者の考え方や心理面にも配慮した治療を取り入れることで,より良好な医学的結果が得られる.
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