研究と報告
場的視点による糖尿病教室改善の活動見直し
臼杵 久美子
1,2
,
小笠原 妙子
1,2
,
福島 道子
1,2
,
深沢 栄子
1,2
,
畑山 伊佐子
1,2
,
堀川 富美子
1,2
,
岩崎 敏子
1,2
,
衛藤 幹子
1,2
,
松田 正己
1,2
,
丸地 信弘
1,2
1日本赤十字社医療センター
2東京大学医学部保健学科
pp.1393-1404
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920024
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに 食生活に限らず,生活状況全般の変化により,糖尿病患者は年々増え続けている.そのため,病棟や外来診療における従来通りの個対個のケアだけでは対応しきれないという状況はどこの医療施設をみても同様であり,当医療センターも例外ではない.糖尿病患者は他疾患より教育の機会に恵まれているとはいえ,外来の患者数は増えており,入院退院を繰り返す患者が多い.そして,糖尿病には患者の自己管理の力を引き出すような患者教育が,治療上重要であると考えられる.糖尿病教室はこのような状況の中で,‘患者の自立を目指す’ことを目的とし,少しでも効率よく患者教育を行うために生まれた.
当医療センターの健診センターは健診施設であるが,歴史的に院内患者教育の役割を担ってきた.しかし,現在の業務はほとんど健診活動で占められている.そうした状況下で,私たちにとって,糖尿病教室はより密に患者と作用し合える活動であり,看護職として充分機能しうる場でもあった.数をこなすことを余儀なくされている日常業務の中で,糖尿病教室を振り返り,どうすればよい教室になるのだろう,私たちはどうかかわればよいのだろうと模索しつつ,活動についての本質的な問題をとらえ,自分の果たすべき機能を問い直したいと考えていた.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.