連載 保健活動の〈見直し〉から〈見通し〉へ・5
保健活動の分析プロセスを場的視点で検討する実践的意義—活動の理念と分析法の一体化を目ざして
松田 正己
1
,
衛藤 幹子
2
,
丸地 信弘
1
1東大医学部保健学科
2伊藤病院医療相談室
pp.838-846
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206741
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はじめに
我々は本誌2月号から,場的視点で保健活動を《見る目・語る目・動かす目》を解説するため,連載を開始した。ここでいう《場的視点》とは,問題対応における提供側と受け手側の相互作用過程を《活動の場》という心理的共有空間として対象視し,それを第三者(非当事者)的立場から理念的に捕えようとする考え方(ものの見方)のことである。
活動を《見る目》については,保健ワーカーの《問題意識》を健康問題と活動上の問題に分け,そのうち後者に注目するのが場的対象認識であるとし,その意義と必要性を3月号で解説した。そして,いわゆる事例研究を素材に《活動上の問題》を捕える目を4月号で養った。更に,8月号では実際活動を場的視点で捕えるため,対象の捕え方を4つのタイプ(個別ケア,住民組織,施設活動,地域ケア)に分けて説明した。
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