特集 活動の見直しから見通しへ—多摩保健活動研究会の成果を中心に
保健活動を場的視点で見直し/見通す実践的意義—多摩地区保健活動研究会の学習活動から
丸地 信弘
1
,
松田 正己
1
1東大医学部保健学科
pp.738-743
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206726
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日常行っている活動を見直すということは,活動の将来を見通していく上で必須のこと,と頭ではわかっていても,繁雑多忙な日常性に流されて,なかなか実行しにくいものである.つい慣例や前例にならう,という最も安易な道を選択してしまう.そして,いったんこの選択に従うと,進歩や変革は彼岸のこととなり.決められたことを,決められた通りにやっていくという,いわゆるお役人スタイルができあがり,周囲をイライラさせてしまう.PHC研究会が説く〈発想の転換〉は,まさにこの日常性から脱却することであり,そのために現実の活動を直視し,その抱えている問題を明確にし,問題改善への方策を見出していく一連のプロセスを,たどり始めようとの問題提起ともなるのではないか。活動の〈見直し〉から〈見通し〉へ,というタイトルには,お役人性から脱け出して下さい,という住民の切なる願いがこめられているともいえる.
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