ベッドサイドの看護
ICU症候群についての一考察—患者側および医療者側の要因を考える
西村 美子
1
,
佐伯 真佐子
1
,
高橋 美佐江
1
,
満田 幸枝
1
,
山根 静子
1
1山口大学医学部付属病院集中治療部・救急部
pp.1273-1276
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919998
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はじめに
複雑多様化した疾病の中で,患者の生命維持,生理機能維持を第一義的に発生したICUは,現在も各地で創設が相次いでいる.しかしそこでは救命のための手段的役割が最優先され,患者の心理状態は軽視されがちである.そうした中で,患者は恐怖,不安,意思疎通の困難などにより,過度の不適応状態を示すICU症候群が問題となってきた.
山口大学医学部付属病院集中治療部も,1981年8月に回復室の1床で発足,翌1982年5月現ICUに移転し2床,さらに6月に救急部1床を併設,11月にはICU・救急部を含め4床で新たに動き始めた,私たちは1981年8月から1982年12月まで,入室患者140名のうち,ICU症候群に陥ったと思われる患者3例を経験した.そこで長谷川1)によるICU症候群発症の要因に基づき(表1),患者側および医療者側の要因を検討したので報告する.
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