特集 胎内のしくみと胎児の発育
胎児発育に関する母体側要因
高田 道夫
1
1順天堂大学医学部産婦人科学教室
pp.677-682
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205296
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医学の進歩によって,妊娠可能年齢の婦人の多くが各種の慢性疾病から開放され,合併症,偶発症をもつ妊・産・褥婦の死亡率が近代産科学によって低下し,さらに胎児・新生児の死亡頻度が減少している今日においても,「自然に逆わず,女性の生理にかなった環境に自己をおく」という妊婦生活上の心得は,妊婦指導上の原則としても通用しなくてはならない。ここでは母体側要因がどのように胎児発育に影響しているのか,その影響をどのようにチェックしていけばよいのか,2,3の点を中心に述べ,妊婦生活上の心得が現代にも生きていることをとりあげてみたい。
現代医学の恩恵を過信し,母親教室という結構なシステムに甘えて,大胆にも女性の生理にかなった生活からはみ出したがる妊婦,あまりにも神経質に栄養,栄養と気をつかい,必要以上に安静を求める妊婦の指導に役立てば幸である。
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