カラーアトラス 褥創・19
足部の褥創[2]—前足部および趾部
大谷 清
1
1国立療養所村山病院整形外科
pp.726-727
発行日 1982年7月1日
Published Date 1982/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919592
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脊髄損傷の足趾は槌趾変形を呈するのが特徴である.これは痙性による趾の伸筋腱,屈筋腱のアンバランスにょるためである.写真1は脊髄損傷患者の典型的な槌趾変形である.槌趾変形はMP関節(中足指節関節)で過伸展,PIP関節(近位指節関節)で過屈曲をとるので,M.P関節の底側,PIP関節の背側が突出しているため,同部に褥創が発生しやすい.写真2は第5趾MP関節外側に発生した褥創である.
足底部は表皮が厚く,血行も不良で,同部に発生した褥創は極めて難治性である.厚い表皮で,しかも血行不良なため植皮の成績も悪い.写真4は第2趾の趾尖部とIP関節に発生した褥創である.写真5は第1趾の趾尖部に発生した褥創である.趾尖部は特に血行が悪いため褥創というよりも壊死の形をとる.
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