カラーアトラス 褥創・7
殿裂部の褥創―1
大谷 清
1
1国立療養所村山病院整形外科
pp.726-727
発行日 1981年7月1日
Published Date 1981/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919276
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殿裂部に発生する褥創の原因も他の部位に発生する褥創と同じく,物理的圧迫が原因となるが,殿裂部の解剖学的特殊性から,他の部位の褥創と型・経過等において異なった特徴を示す.すなわち,殿裂にそった裂創となりやすいこと,肛門の縁にあたるので汚染されやすいこと,浸出液が創の深くに蓄積されやすく,浸出液の流出が悪いこと,後述するような手術的治療も部位的に難しいことなどである.
写真はいずれも頸髄損傷で,躯幹以下完全麻痺例である.写真1,2は同じ患者で深い裂創型である.局所の腫脹と浸出液は著明で,慢性期でありながら依然として急性炎症像を呈している.分泌液の培養では大腸菌が検出された.
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