カラーアトラス 褥創・10
肛門周辺部の褥創
大谷 清
1
1国立療養所村山病院整形外科
pp.1086-1087
発行日 1981年10月1日
Published Date 1981/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919354
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症例:52歳,男性.1976年10月転落事故で第1腰椎骨折,完全対麻痺となり,某病院へ入院した.入院中に仙骨部,左大転子部,肛門周辺部に褥創を発生した.特に仙骨部と左大転子部の褥創は経過が長い.約2年間の入院の後,1978年12月当院へ転院した.
入院時栄養はやや不良で,表に示すように低蛋自血漿,貧血がみられ,皮膚色も一見栄養不良を思わせる蒼白を呈していた.約39℃台の発熱もみられた.この発熱は尿路感染によるものと思われ,発熱は全身状態を不良にし,ひいては褥創の発生,悪化を助長した.排尿はバルンカテーテルが留置され,尿の混濁は著明で,培養により黄色ブドウ球菌を検出した.
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