カラーアトラス 褥創・18
足部の褥創[1]—踵部
大谷 清
1
1国立療養所村山病院整形外科
pp.606-607
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919565
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麻痺域の足部もしばしば褥創が発生する.特に踵部は好発部である.踵部の皮膚は厚いため,表皮形成が悪く,特に治りにくい部位である.さらにはADL上,物に接触する機会が多く,傷を作りやすい部位でもある.
写真1,2,3は頸髄損傷患者の踵部に発生した褥創である.写真1,2は比較的慢性期であるが,写真3は比較的初期の褥創である.脊髄損傷の下肢は自律神経障害のため,特に四肢末梢の足部の皮膚は乾燥し,表皮の角質化が著明である.脊髄損傷患者は単に踵部の圧迫を避け,褥創の予防に配慮する必要がある.そのためには踵部へ円坐を当てるか,あるいは踵部が物に当たらないように工夫することが大切である.
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