ケースレポート 末期患者のケア
筋萎縮性側索硬化症末期患者の看護
岡元 玲子
1
,
島田 松江
1
1国立赤坂療養所神経内科病棟
pp.1136-1138
発行日 1981年10月1日
Published Date 1981/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919363
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はじめに
神経難病の代表的疾患の1つである筋萎縮性側索硬化症(以下ALSと略)は,筋萎縮による運動機能の低下,球麻痺症状等を呈し,常に進行性に悪化するが,決定的な治療方法はなく,3-4年で死の転帰をとるといわれている.その末期では筋肉が萎縮しほとんど消失するための体動不能,構音障害による意思の疎通困難,嚥下障害,流涎等があり,コミュニケーション,食事介助,頻回な体位変換など本疾患の看護は問題点が多い.
私たちは予後不良である本疾患の病名が告げられないために,医師,看護婦に対して不信感をもち,増悪する症状に不安と苛立ちが著明となった事例を経験したので報告する.
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