特集 これだけは知っておきたい治療のポイント
VII 神経
5.神経・筋疾患におけるいわゆる"難病"の治療と管理
筋萎縮性側索硬化症
平山 恵造
1
1順大脳神経内科
pp.1854-1855
発行日 1973年11月20日
Published Date 1973/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205137
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難病中の難病である.その理由は,本病の病因が不明で,治療として効果的なものがなく,たとえ早期に診断が確定しても,進行を停止せしめることはできず,常に進行性で,発病後多くは2〜3年,長くとも5年以内に必ず死の転帰をとるからである.
最も悪性な病気とされていた癌においてさえ,近年は治療が著しく進歩し,抗癌剤による治療ならびに,特に早期の手術により,癌の治療効果は大幅に上昇した.そのような意味から癌は治療可能な疾患であり,また治癒せしめることもできる病気であるということができる.これに比し,本病は病因全く不明で,いかなる薬物にも抵抗し,早期診断によっても治療効果は期待できず,必ず死の転帰をとることは,癌以上の難病と言わねばならない(したがって患者に病名をあかすことは慎まなくてはならない).
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