特集 チームナーシングの功罪—現状での総括と展望
重症心身障害児(者)病棟における看護体制の再検討
大芳賀 ミサ子
1
,
佐久間 良子
1
1国立療養所西多賀病院重障児(者)病棟
pp.176-181
発行日 1979年2月1日
Published Date 1979/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918607
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はじめに
重症心身障害児(者)〔以下,重障児(者)と略す〕とは,医学的用語ではなく,社会的・行政的用語であり,昭和41年度厚生省事務次官通達によると,‘身体的・精神的障害が重複し,かつ重症なもの’と定義されている.具体的には,身体が虚弱で抵抗力が弱く,かつ残存する異常姿勢パターンと強度の変形拘縮等の身体的障害のほかに,精神発達遅滞により日常生活動作の確立ができず,また言語によるコミュニケーションが困難であるなどの問題を抱えている.
更に重障児(者)病棟は,医療施設であるとともに社会福祉施設としての機能を持ち,一度入院すると一生の生活の場となる場合がほとんどで,病院生活をどのように送るかは我々の手に委ねられている.そのため医師・看護婦・保母その他様々の関係職種が,患者の持つ能力を最大限に伸ばすよう協力し援助を行っていくことが必要である.
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