トピックス
重症心身障害児者における甲状腺機能に関する検討
鈴木 清高
1
1独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター小児科
キーワード:
遊離トリヨードサイロニン
,
遊離サイロキシン
,
甲状腺刺激ホルモン
,
FT3/FT4比
,
重症心身障害児者
Keyword:
遊離トリヨードサイロニン
,
遊離サイロキシン
,
甲状腺刺激ホルモン
,
FT3/FT4比
,
重症心身障害児者
pp.405-413
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001695
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
甲状腺ホルモン作用の程度を判定する際は,血清甲状腺刺激ホルモン濃度(TSH)が判定の基準となる.当院に入院中の重症心身障害児者では,2例の血清遊離トリヨードサイロニン濃度(FT3)が上昇し,2例の血清遊離サイロキシン濃度(FT4)と1例のTSHが低下したが,TSHが上昇した症例はみられず,FT3/FT4比の平均値は0.323であった.甲状腺ホルモンは,とくにニューロンにおけるT3の取り込みに重要な,モノカルボン酸トランスポーターであるMCT8により細胞内へ取り込まれ,MCT8欠損症ではFT3/FT4比が0.750を上回る.当院の症例では,FT3/FT4比より,MCT8は適切に作用していると考えられ,TSHの結果より,甲状腺機能には問題がない可能性を考えた.
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.