放射線科看護の実際・2
超高圧放射線治療と看護の要点(Ⅱ)
芦澤 昭
1
,
安岡 トミ
2
,
町田 トシエ
2
,
吉田 マチエ
2
,
平山 ハツエ
2
,
堀 サチ子
2
,
高橋 フミエ
2
,
山口 ヤヨイ
2
,
山本 葉子
2
,
広瀬 美智子
2
,
米子 紀美子
2
1長崎大学医学部付属病院中央放射線部
2長崎大学病院看護部
pp.161-171
発行日 1975年2月1日
Published Date 1975/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917185
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Ⅱ.治療成績の向上
超高圧放射線治療が従来のX線治療成績より優れている実情は,表4のA,B2病院における頭頸部癌の5年治癒率を見れば明白である.各部の癌の治り方は,超高圧治療を行ったB病院では在来のX線治療だけに限られたA病院の成績より悪いものでも1.3倍,良いものでは5倍,平均して2.3倍の治癒率の向上を見ている,これは装置の進歩と照射技術の改善がもたらした成果であり,周辺の健常組織の障害を最少限にくいとめ,必要にして十分な放射線が病巣に均等分布されるようになったたまものである.因みに長崎大学病院での過去3年間にわたる治療患者の実情を診療科別(表5),臓器・疾患別(表6)および線源別(表7)に見ると,悪性腫瘍の適応は全科にまたがり,短時間〜大照射野の照射が可能なリニアックの導入で深在性の進行癌の利用が増え,表在治療として味のある電子線照射の採用が血管腫やケロイドの如き良性疾患の治療に副作用や後遺症の気遣いなく治しうる適応限界を広げたように思える.子宮癌(図14),肺癌(図15),食道癌(図16),舌癌(図17),縦隔ゼミノーム(図18),甲状腺癌(図19),血管腫(図20),喉頭癌(図21)などの代表的な著効例を提示し,諸姉の放射線治療に対する関心を高めてもらおう.
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