外国文献
高圧酸素療法,他
pp.378-383
発行日 1965年3月20日
Published Date 1965/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203566
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ある種の酸素欠乏状態に高圧酸素療法が有効なことは確認されているが,この療法が血管新生を阻害するという見方も出ている.Heppleston (Lancet 1:1135,1964)はマウスの組織in vitro培養で,高圧O2が血管新生を傷害するとし,in vivoでも同じ作用があるか否か検討の必要があるとしている.各種動物の未熟網膜血管は高圧O2で閉鎖するし,人体では新生児において酸素中毒でretrolental fibroplasiaを招くことが知られている.成熟した網膜血管は高圧O2で収縮はするが閉塞することはない.これは圧の機械的作用でなく,酸素張力の増加のためである.Winstanley (Brit.J.Ophth.47:542,1963)はdiabetic retinopathyの血管新生に対し高圧O2を用いたが影響がなかつたとしている.Henkind(Lancet 2:836,1964)はモルモツト角膜で高圧O2が血管新生に及ぼす影響をしらべた.alloxan前眼房注5〜7日後,角膜血管新生のおこるところで,高圧O220〜40時間加える.生前,死後精査して血管新生傷害は全くないという.
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