2色ページ 老年病学・12
老人患者看護の特殊性
賀集 竹子
1
1東京都老人総合研究所看護学研究室
pp.1590-1593
発行日 1973年12月1日
Published Date 1973/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916836
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はじめに
近年わが国の平均寿命が延長し,人口構造が他国に比類のないスピードで老齢化の方向をたどっている.戦前戦中の生めよふやせよの多産多死型の時代から,戦後生活水準の上昇に伴って,家庭では少数の子供を注意深く育てる傾向が強く,つまり少産少死型になってきた.
また一方公衆衛生の進展や医学の進歩,新薬の開発などがあいまって,若年層の死亡率が低下して老年期に達する人が増加してきた.更に前述したごとく,社会情勢の変化などによって出産率が急激に減少し,総人口の中の老人の占める割合が急速にふえてきたのである.一種の社会的変革といってもよい状態である.
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