院内管理のレベル・アップ 看護
看護部門のレベルアップのために・4
老人看護のレベルアップを目指して—増大する老人患者に対応するために
賀集 竹子
1
1東京都老人総合研究所看護学研究室
pp.836-837
発行日 1978年10月1日
Published Date 1978/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206673
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高齢化社会の到来と看護
わが国ほど急ピッチで高齢化社会を迎える国は,西欧諸国にも例を見ないといえよう.このような高齢化社会への超スピード時代に,国の施策(年金・医療・就労・経済・施設体系・地域福祉などの老人対策)が追いついていけないのではないかと危機感さえ持たれているのが現状である.わが国の老人人口が加速度的に増加し,とりわけ老人の中でも高齢者が増えるため,それに伴って病気および病弱な老人や寝たきり老人が著しく増加の傾向にある.
老人医療費無料化が昭和48年に実施されて以来,その影響もあって,どこの病院でも外来や入院患者の中に,老人の占める割合が多くなってきた.もちろん老人医療費の無料化は老人にとって福音であるが,老人医療供給側の受け入れ体制が十分整っていないところに,老人患者が急増したので病院の機能低下に相まって,看護部門の看護業務や看護管理のうえにもきわめて重大な問題が生じている.では増え続ける老人患者に対して,看護はこれからどのように対応したらよいのだろうか.
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