東京看護学セミナー・第9回公開セミナーから・2
安楽の技術化を考える・2
長谷川 美津子
,
小野 久子
pp.1572-1578
発行日 1973年12月1日
Published Date 1973/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916833
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《清拭にみる安楽とは》
身体の清潔を保ちたいということは,健康のいかんにかかわらず,誰しも持っている基本的欲求の1つであり,患者の年齢や病状,おかれている条件のいかんにかかわらず清潔を保つための援助を行うことは,看護婦の主体的な責務である.そして患者の病気の種類や程度により,入浴不可能な場合にしばしば用いられる技術として,全身清拭や部分清拭があり,それは,看護の基礎技術として,看護教育上も,比較的早い時期に教えられるのである.しかし,どんな時には清拭をすべきかするべきでないかの選択は,看護婦の判断ではなく医師の指示による場合が多いのも実状である.それは清拭が‘身体のふき方’としての手順に終わってしまっていることによるものではないだろうか.技術的な視点から,‘清拭’を見直す必要があり,それは安楽の技術化のうえにも役立つのではないだろうか.前回にひきつづき第9回公開セミナーからまとめてみた(1973.6.8.).
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