文献の紹介と考察・12
患者中心の医療・看護のための問題中心方式—よりよいケアとその評価のための記録方式
伊津 フサ子
1
1国立東京第一病院脳神経外科病棟
pp.1566-1570
発行日 1973年12月1日
Published Date 1973/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916832
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はじめに
病院の中での患者に関する記録というものは,過去100年以上もの間,大して変わることもなく続いてきた.その結果,今日,記録は論理性や一貫性を欠き,診療科中心の‘きれぎれな情報の単なる集積’(Weed)になってしまった.
患者がどのような問題をもっているかを知るためには,この‘きれぎれな情報の集積’を丹念に調べなければならず,一方,患者は入院すると,看護婦・医学生・インターン・レジデントと多くの人から同じようなことを繰り返し尋ねられるのである.看護婦は重大な観察事項を看護記録に記しただけでは不十分で,言葉によるコミュニケーションにも頼るが,これは時間的にも非能率的で,また,看護婦の人柄にも左右されてしまう.
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