ベッドサイドの看護
低血糖発作に苦しむ老齢患者への援助
青木 恭子
1
1国立長崎療養所西2病棟
pp.1255-1258
発行日 1977年12月1日
Published Date 1977/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918281
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はじめに
インスリノーマは比較的まれな疾患で,根本的治療は腫瘍の外科的切除しかないと言われている.本事例はインスリノーマにより空腹時狂暴性を伴う低血糖発作が,急激にしかも頻回に起こり,24時間中全く目を離せない例で,種々の内科的治療の試みも十分な効果を得られなかったが,外科的切除後軽快退所できたので,その看護の経過を報告する.
インスリノーマとは,膵臓のランゲルハンス島のβ細胞に発生するインスリンを過剰に分泌する腫瘍で,図に示すとおり50gブドウ糖負荷試験では,血糖は正常者および糖尿病者の血糖値と比較するとはるかに低く,インスリン反応は逆に高い値を示している.
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