臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
IX.代謝・栄養障害
糖尿病治療のポイント
180.老齢糖尿病患者をどこまでコントロールするか
島 健二
1
Kenji Sima
1
1大阪大学医学部・第4内科
pp.2492-2493
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218721
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糖尿病治療の目的は代謝異常を是正することにより,自覚症状を軽減し,合併症の発生を予防,その進展を阻止することにある.老齢者糖尿病といえども治療目的はなんら変わるところはない.ただ老齢患者の場合,その後の生存期間が短いため,進展にある期間を必要とする合併症に,それほど注意を払う必要がない.さらに薬物治療に際して,副作用発現頻度が青壮年患者に比較して高く,また一度副作用が発症すると重篤な後遺症を残すため薬剤使用に際してより慎重であらねばならないなどの事実が,老齢糖尿病患者をコントロールする際,どの程度までなされるべきか,などという問題を提起せねばならないもとになっている.自覚症状があれば,老齢者といえどもこれを除去すべく十分治療がなされねばならないことは当然である.
また,老齢糖尿病患者と称しても,対象の内容はかなりheterogenousである.
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