Nursing Study
老齢肺結核患者の看護について—老齢患者に対する看護技術所要時間に関する調査
齋藤 冠菊
1
,
谷村 清子
1
1国立札幌療養所
pp.96-100
発行日 1968年11月1日
Published Date 1968/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914210
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はじめに
わが国における肺結核患者発生率は,昭和33年度人口10万対542.1に対し昭和40年度320.1と漸減傾向を示しているが,一方結核療養所などへの入所患者の実態は逐年的に重症あるいは老齢患者が増加している。結核のような慢性疾患患者に対する看護業務は,年余にわたる長期療養者を対象にするためか,ともすると機械的あるいは惰性に陥りやすい危険性を多分に含んでおり,このことはひいては患者と看護婦との人間関係を阻害する一因となっている。
最近国立療養所を中心としたチーム・ナーシング1)2)あるいは精神心理看護3)4)5)などの協同研究は,このような看護ムードを刷新すべくいわゆる「患者に眼を向ける」看護体系の確立に対する真摯な試みといえよう。特に老齢患者に対する看護は,このような意味からは老齢という精神的,肉体的ハンディキャップを有した人たちだけに心理的看護内容が要求されることは自明の理であるにもかかわらず,ややもすれば一律な機械的業務で処理されるか,さらにはむしろ敬遠されるような傾向も無視できない。
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