特集 看護婦の勤務と生活の合理化
第2部 よりよく学ぶために
学習の評価
金平 文二
1
1人事院任用局試験第二課
pp.87-90
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912546
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1〕学習とその評価の意義はなにか
看護活動というのは,ある意味からいえば学習の連続と考えることができる。すなわち看護学生としてはもちろん,国家試験に合格して新しく病院に勤務した看護婦,さらに病院勤務に長期間の経験をもつ看護婦としても,最近の医学の進歩にともなう看護技術の高度化に対応しうるように,その最新の知識や技術あるいは態度を常に学習したり,身につけなければ,到底,看護活動を円滑に遂行することは不可能であろう。一般に学習といえば,ある到達しようとする,あるいは到達させようとする一定の目標に対して,自発的に学ぶことによつて,あるいは日常の活動や一定の計画に基づく教育,指導,訓練によつてその行動に,向上的,持続的変化をおこそうとする作用とみなすことができる。したがつて一定の学習活動を行なった後では,その学習内容によつて異なつてくるが,知識は豊富になり,技術は熟達し,望ましい態度が習得されるということが期待されることになる。
従来は学習といえば,知的,技術的側面が中心に考えられていたが、看護生活のありかたからみると,これらの側面のほかに,対同僚関係,対上司関係,対医師関係等の人間関係をとおしての学習ということも考えられるようになつて,態度や性格的側面についての問題も重要視されるようになつてきている。
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