講座 教育の方法
学習指導の一環としての教育評価
鈴木 敦省
1
1学習院大学
pp.418-424
発行日 1975年7月25日
Published Date 1975/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906900
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
前号で,学習指導の新しい方向としての構造学習ないし,構造主義的接近について述べてきた.その際,特に教材の精選の仕方と,知識の基本構造としての教科の構造をどのような仕方で学習させることが,より現代の要請にかなうことになるか,主体的発見的学習の機会をオーソドックスな教授過程に随時活用することなどの必要性について触れた.
そこで,今回は,指導の一環としての評価の位置づけを中心に論を先に進めてみたいと考える.既述のごとく,学習指導の一環としての評価の位置づけは,
(1)指導と評価は,車の両輪の関係において展開されるものであり,
(2)指導関係の関係図式は,1つのフィードバック系を形造っていること.
(3)被指導者の積極的な反応(指導内容に関する知識・理解・技術・態度の修得および批判と知的創造としての発見や新しい認識の成立)を踏まえて,評価という行為が展開されること.
(4)その際大切なことは,看護学の科学性を支えとする客観的評価と指導者自身の認識に基づく主観的評価とが互いに補正しあって,事実に基づく判定によってフィードバックされていく(フィードバック・ループとしての指導関係:前号の章末の図参照).
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.