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結核食餌
西村 きみ
1
1萩窪病院
pp.48-49
発行日 1955年2月15日
Published Date 1955/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909752
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結核患者の数は戦前よりも増加して,療養所や病院に收受し切れず,従つてそれ等の人々には,充分な治療も行われないので,社会の由々しい問題ともなつておりますが,結核の早期発見と,化学療法の進歩に加えて,結核に対するいろいろの手術の発達等により,数多くの人々が救われているわけですが,それに附随して,栄養学の一犬進歩も亦,患者治療の一翼を荷つている事も見逃せないのであります。結核患者は長期間にわたつて食餌療法をするわけですから,その間に発熱したり,胃腸障害を起したり,化学療法による藥の服用等によつて,特別に食欲不振を起したり,又は長期療養の為に,度重なつて出る食品や,同じ様な献立にはあきているものですから,新鮮な材料を選んで,いろいろの食品を組合せた色どりのよい美味しい料理を衞生的に取扱われた,清潔な食器に,しかも栄養学の基,の下に立てられた,科学的な献立を,経済的にも,充分な考慮を払つて,盛つてゆき度いものと思います。
結該患者食には,特にどの様な注意をしなければならないかを申し述べますと結核患者と健康人との栄養所要量の比較(第1,2表)
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