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高血圧の食餌
西村 きみ
1
1荻窪病院
pp.151-154
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909950
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高血圧症にはいろいろの原因からくる多くの種類がありまして,本態性高血圧症,腎性高血圧症,動脈硬化性高血圧症,内分泌性高血圧症,神経性高血圧症,循環器障害による高血圧症等がありますが,特に日本人に多いものは,血圧が高いという事が主症状である本態性高血圧症であります。この病気の原因は今日尚不明ですが,病気に罹り易い素質(遺伝)と,生活環境や,肉体的精神的過労と,過食(肉類の多食)がその誘因とされています。何年,何十年と続く病気で仲々治り難いものですが,極く初期に適当な養生をすれば必ず治ると云う確信を持つ事が大切です。進行性のものでは動脈硬化が加わり,脳(脳出血,脳軟化)心臓(狭心症,心筋梗塞,心臓衰弱)腎臓(腎硬化症,尿毒症)等の臓器を冒し,それ等の合併症を伴いますから,食餌療法も亦それ等の予防と治療と云う点に考慮を払つて,次の方針に基いて行います。
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